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全世界同時発売!結果は?

拙作は日本語のみの本、英語併記は行っていない。日本国内での販売を主眼に置いている。
しかし幸いなことに、Kindke KDPでは、特別な操作を行わなくても、全世界同時発売ができる。
多くの先輩方もこのことをひとつのメリットとして積極的に世界販売に設定されているようだ。

もちろん世界販売したくない場合、日本だけで発売するよう設定も可能だ。
「特定の出版地域」を選択する場合は、245の国と地域の中からいくつでも選択することができる。選択肢は次の通り。

日本/アメリカ合衆国/アイスランド/アイルランド/アゼルバイジャン/アフガニスタン/アメリカ領ヴァージン諸島/アメリカ領サモア/アラブ首長国連邦/アルーバ/アルジェリア/アルゼンチン/アルバニア/アルメニア/アングィラ/アンゴラ/アンチグアバーブーダ/アンドラ/イエメン/イギリス/イギリス領インド洋地域/イギリス領ヴァージン諸島/イスラエル/イタリア/イラク/イラン・イスラム共和国/インド/インドネシア/ウォリス・フツナ/ウガンダ/ウクライナ/ウズベキスタン/ウルグアイ/エクアドル/エジプト/エストニア/エチオピア/エリトリア/エルサルバドル/オーストラリア/オーストリア/オーマン/オーランド諸島/オランダ/カーボベルデ/ガイアナ/カザフスタン/カタール/カナダ/ガボン/カメルーン/ガンビア/カンボジア/ガーナ/ガーンジー島/ギニア/ギニアビサウ/キプロス/キューバ/ギリシャ/キリバス/キルギスタン/グアテマラ/グアドループ島/グアム島/クウェート/クック諸島/グリーンランド/クリスマス島/グレナダ/クロアチア/ケイマン諸島/ケニア/コートジボワール/ココス諸島/コスタリカ/コモロ/コロンビア/コンゴ/コンゴ民主共和国/サウジアラビア/サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島/サモア/サントメ・プリンシペ/サンバルテルミー/ザンビア/サンピエール島・ミクロン島/サンマリノ/サンマルタン島/シエラレオネ/ジブチ/ジブラルタル/ジャージー/ジャマイカ/ジョージア/シリアアラブ共和国/シンガポール/ジンバブエ/スイス/スヴァールバル諸島およびヤンマイエン島/スウェーデン/スーダン/スペイン/スリナム/スリランカ/スロバキア/スロベニア/スワジランド/セーシェル/セネガル/セルビア/セントクリストファー・ネイビス/セントビンセント・グレナディーン/セントヘレナ島/セントルシア/ソマリア/ソロモン諸島/タークス・カイコス諸島/タイ/タジキスタン/タンザニア連合共和国/チェコ共和国/チャド/チュニジア/チリ/ツバル/デンマーク/ドイツ/トーゴ/トケラウ諸島/ドミニカ/ドミニカ共和国/トリニダード・トバゴ/トルクメニスタン/トルコ/トンガ/ナイジェリア/ナウル/ナミビア/ニウエ/ニカラグア/ニジェール/ニューカレドニア/ニュージーランド/ネパール/ノーフォーク島/ノルウェー/ハード島とマクドナルド諸島/ハイチ/パキスタン/バチカン市国/パナマ/バヌアツ/バハマ/パプアニューギニア/パラオ/パラグアイ/バルバドス/パレスチナ占領下領土/ハンガリー/バングラデシュ/バーミューダ/バーレーン/ピトケアン島/フィジー/フィリピン/フィンランド/プエルトリコ/フェロー諸島/フォークランド諸島(マルビナス)/ブラジル/フランス/フランス領ポリネシア/フランス領南方地域/ブルガリア/ブルキナファソ/ブルネイ・ダルサラーム国/ブルンジ/ブーヴェ島/ブータン/ベトナム/ベニン/ベネズエラ/ベラルーシ/ベリーズ/ペルー/ベルギー/ボスニア・ヘルツェゴビナ/ボツワナ/ボリビア/ポルトガル/ホンジュラス/ポーランド/マーシャル諸島/マカオ/マケドニア共和国/マダガスカル/マラウイ/マリ/マルタ/マルチニク島/マレーシア/マン島/ミクロネシア連邦/ミャンマー/メイヨット/メキシコ/モーリシャス/モーリタニア/モザンビーク/モナコ/モルディブ/モルドバ共和国/モロッコ/モンゴル/モンセラト/モンテネグロ/ヨルダン/ラオス人民民主共和国/ラトビア/リトアニア/リビア/リヒテンシュタイン/リベリア/ルーマニア/ルクセンブルク/ルワンダ/レソト/レバノン/レユニオン/ロシア連邦/香港/合衆国領有小離島/西サハラ/赤道ギニア/台湾/大韓民国/中央アフリカ共和国/中国/朝鮮民主主義人民共和国/東ティモール/南アフリカ/南極/仏領ギアナ/北マリアナ諸島

南極や、名前も知らない地域だけで販売する設定もできる訳だが、いったい誰が買うのかな?どれくらい売れるのだろう。

販売状況は主要11カ国のドメイン毎にまとめて表示される。
日本:co.jp
アメリカ:com
イギリス:co.uk
ドイツ:de
フランス:fr
スペイン:es
イタリア:it
インド:in
カナダ:ca
ブラジル:com.br
メキシコ:com.mx
オーストラリア:com.au

以上が出版者が行える販売国に関する設定。
拙作では、お行儀の悪そうな特定の国を拒否しようかとも思ったが、とりあえず「全世界の権利-すべての地域」を選択して販売を開始した。
日本語のみの本とは言え、日本から海外へ引越しした人もいるだろうし、日本語の読める外国人、日本語や日本の自然を勉強中の人も少なくないはずだ。そこそこは売れるだろうと、またまたたっぷり皮算用。

しかしその結果は、がっかりだった。

例外的に、少量ながら売れたのはイギリス。
イギリスでは出版する度に若干ながら必ず購入してくれている人がいてくださるようだ。イギリスには知り合いはいないので、プロモーションは行っていないにもかかわらず、探していただいて嬉しいな、本当に感謝です。
その他の国にいる知り合いにはメールでお知らせもしたのだけれど、日本のサイトから買ってくれたためにまぎれてしまったのか、それともメールは無視されてしまったのかはわからない。

無料プロモーションのダウンロード数が多いのは、日本を除けばやはり本家アメリカがダントツ。
しかし有料販売に結びついてはいない。残念ながらアメリカ人のお好みには全く合わないらしい。しょぼん。

amazon KDPの規定で、販売数や売上げを公開してはいけないようなので、書けるのはこのあたりまでではないかと思うのだがどうでしょう。

結局のところ結論としては、世界販売を意識するならきちんと意識して「そういう本」を作るべきなんだろう。

そしてもう一点。海外での無料プロモーションのダウンロード数が日本に比べ伸びないのが気にかかる。これは他の本と並列に販売されるのではなく、海外の販売サイトで「洋書」に区分されるせいではないかと思っている。要するに日本から出版する通常の日本語での本は、「洋書」以下の階層で販売されるため、日本国内に比べて海外での注目率は低くなる。
私自身は海外向けの出版を行う予定はないのだが、検討される方は、内容とともに「販売のされ方(サイトでの見え方)」も確認されて、最適化をされたほうがいいようだ。

思い返せば、第一作目は海外でも売れないかなあ的な希望をこめて作っていたけれど、第二作目からは、まったく海外販売を意識しなくなった。
にもかかわらず買ってくれているイギリスの皆さんは、ほんとにありがとね!
行った事はないんだけれど、イギリスが好きになりましたよ。

 

 

KDPの価格設定

価格設定は難しい問題だ。
処女作出版前には、WEBの記事や How to本を読みながら随分悩んだ。

多くの電子書籍業界の諸先輩方は、最低価格を推奨されていた。
KDPでは、ロイヤリティ35%にして99円で販売するか、70%にして250円で販売するか、規約上設定できる範囲の最低価格のどちらか2択を推奨する意見が多数派だった。
実際の実入りで言えば、それぞれ35円か175円かの2択ということになる。

出版前。当時は何冊くらい売れるか全くわからない手探り状態なので「35円でも数ヶ月がかりで1万冊売れれば35万円だ。175円でも月1000冊売れば17万円以上になるが、さすがにこれはちょっと厳しい数字かも知れない。しかし最低でも○○くらいはいくだろう。」などと、まさしく捕らぬ狸の数を空想していた。

結局、処女作の2作は「250円(ロイヤリティ70%で175円)」と設定してて販売開始したのが2014年4月初旬。

SNSや知り合いメールでがんばって宣伝して、ありがたいことに沢山買っていただき、部門1位にもなったのだが、トータルとしては、想像していた皮算用の10分の1の金額だった。
「こ、この売上げで1位なのか!?そんなら10位、100位、の本などは、ほとんど雀の涙じゃないか!?」数千位、数万位の本などは言うに及ばず。
随分と高望みしていた事に気付いてしばらくの間、かなり落ち込んだ。この数ヶ月間どれだけの労力を割いたのか、徹夜連続の日々が走馬灯のようにぐるぐると脳裏を駆け巡った。

そんな絶望のどん底からようやく這い上がった頃、普段から電子書籍を利用していた友人の意見を聞く事ができた。
異口同音に「安すぎる」という意見をもらった。
当時私は「ふーん、そうなのかなあー」程度の受け止めだった。
お二方は、電子書籍の読者ではあるが、電子書籍の出版は未経験だったので、最低価格を良しとする「通説」を知らないのだろうとも思った。
また、初めて出版した自分への「リップサービス」が含まれているのかも知れないとも考えた。「こんな本、10円でも高いわ!」などと言われたら、それこそ立ち直れないだろうが「安すぎる、もっと高く売れるのでは?」という意見は、オトナの社交辞令かも知れない。私だって、それくらいのことは想像できるのだ、えっへん。
ただ、気になるのは、お二方とも、そんなお世辞を言うタイプではないという点。古い付き合いなので、ダメな物はダメと歯に衣着せぬ意見を言ってくれる事は知っている。私はそれがありがたくて、これまで耳を傾けてきた。
「ふむう。もしかしたら、高くてもいいのかなぁ・・・。」

紙の本の場合、一度出版したら価格変更はまあ、事実上不可能と言える。
しかし電子書籍の場合は、価格設定は自由自在だ。設定できる範囲は決められているが、その範囲内なら自由自在に何度価格変更をしても構わない。これは大きなメリットだ。
そうだ、せっかくのメリットなのだから、一度活用してみようか。

気をつけたのはただ一点。
知り合いが既に買ってくれている。その時の価格を下回るような設定変更はしたくない。

その時ちょうど販売し始めたばかりの3作目は、オープン特価400円のスタートとしていたが、おそらく買ってくれる知り合いは、もう既に買ってくれているだろうということで、新しく500円に設定した。段階的に上げるつもりだ。
完全版を5分割したmini版は、99円から250円にアップした。当初の思惑を大幅に上回る2.5倍の値上げだ。
250円で販売していた旧処女作は、500円にした。これはちょうど2倍、思い切った値上げだ。

さあどうだ。

結果は成功だった。
旧処女作は、販売開始から2ヶ月以上経過していたため、チラホラの実績だったが、価格変更後に販売数が減る事はほとんどなかった。
99円のmini版#1は、全く告知をしなかった当初2日ほどの間は、1冊も売れなかった。しかし、mini版#2を250円で販売開始と同時に告知しない段階から初日1冊、二日目2冊と売れ始めた。その後告知を始めたのだけれど、完全版の方がお得な設定にもかかわらず、今でも多少は売れている。
そして本命の完全版も売れた。根拠はないのだがなんとなく、注目してくれている人が多くなったようにな感触がある。
トータルの金額では、少なく見積もっても、処女作出版直後の2倍から3倍の売上げになった。
電子出版の諸先輩方の定説「最低価格至上主義」は、拙作には当てはまらないという結果を実体験した。
どうしてなんででしょうね。買う側にしてみれば、同じ内容なら少しでも安い方がいいに決まっているのだが、最低価格の設定の本は「どうせ大した内容ではないのだろう」的に見られるのかも知れないな。これも推測。

Webを見渡してみると、最低価格を推奨している方の中には「短期間でさっさと作って安く売れ」と指南する先輩もあるが、あくまでもそれはひとつの方向でしょう。もしも全員がその方向で作り始めれば業界は「安いけどつまらん本だらけ」になってしまわないのかという懸念を持っている。
特別な才能に恵まれた天才以外はやはり一生懸命作って、価格に見合う作品を提供するよう努力すべしと、私こと凡人は思っている。
今回は「価格」のお話しなので「内容」についてはいつかまた別に書きたい。

処女作出版直後、期待値に比べて、思惑通りに売れなくて落ち込んでいたのだけれど、これならまだ、見通しが立たないことはない。いやいや、大した売上げではないのだけれど、実際に、やり方によって実際に2倍〜3倍以上になったのだから、今後、やり方によっては、5倍、10倍になる可能性もあるということだ。

価格設定は難しい。
しかしこれもまた、ゲーム感覚でより良い結果を探ってゆきたい。

Kindle Countdown Deals

Kindleで設定できる販売キャンペーンは、”無料キャンペーン”と  “Kindle Countdown Deals” がある。
今回は “Kindle Countdown Deals” のお話し。

Kindle Countdown Deals” キャンペーンは、日本の販売サイトでは行えない。
アメリカと、イギリスの2カ国の販売サイトで実施できる。
日本のサイトで登録し、アメリカと、イギリスで販売されている本はキャンペーンを行うことが可能です。
Kindle Countdown Deals” の内容は「期間限定の値引き販売」。値引くこと自体(普段高くて変えない本が安価で買える!というアピール)よりも、値引きによって注目度をアップしようというのが、キャンペーンの目的(正しい捉え方?)だろう。

という訳で “Kindle Countdown Deals” をやってみた。拙作のケース。
アメリカの場合、普段の販売価格が $4.80 の本を、一旦、$0.99まで値引きして、40時間販売する。その後、40時間毎に $1.99、$2.99、$3.99と値段を上げて行く。
日本のサイトからは見えないが、「価格上昇まで残りあとわずか!今がチャンス!」と受け取れるような表示で、購入を促しているらしい。
イギリスの場合、普段の販売価格が £2.98 の本を、84時間毎に£0.99、£1.99、と3段階で価格を上げて行く。

両国共に上記の設定は「最もコマメに価格変動を行う」設定で試してみる事にした。これ以外に、ずーっと低価格のまま変動しないよう設定することも可能。両国で同時に開催することも、複数の本で開催することも可能。
注意点はふたつ。一冊の本で、”無料キャンペーン”と  “Kindle Countdown Deals” の両方を行えないという事。  “Kindle Countdown Deals” 開催の前後一定期間は価格変更が制限されるという事。
詳細はヘルプを参照されたし。

拙作の場合、mini版以外は無料キャンペーンを行う予定がなくて、尚かつ価格変更をするつもりもないという本が3冊ある。普段、海外であまり売れていないので一度試しにやってみようと思った。平たく言えば「どうせ海外ではたいして売れていないのだから、値引きしても損害はない。」と考えだ。
はたしてこのキャンペーンで、爆発的に売れるのか、それとも、チラホラ程度なのか。

結果は。

全くダメダメだった。
海外サイトの中ではこれまで、多少ウケが良かったイギリスでさえも鳴かず飛ばずでトホホな結果。
まあ「普段売れていない本を、ちょっくら値引きしたくらいでは売れない」という結果だけは確認できた。それだけ。
損害が出た訳ではないが、ちょっと寂しいねー。
やはりこのキャンペーンも、しかるべき告知を伴って、開催しないとダメなんだろうな。

という訳で、結論。
Kindle Countdown Deals” を設定するだけで、そこそこ売れるという世界はないと思われる。
というお話しでした。

ちなみに拙作は、英語併記していない日本語オンリーの本、本の説明も日本語だけだし、海外への告知も全くしていないという状態なので、多少なりとも、海外販売に最適化されている本なら期待できる可能性はある。
また、偶然どこかのサイトで紹介されたりすれば、全然違う結果になる可能性は大いにある。
私の試していない最適な方法があるかも知れないので、このページを読んで、「なーんだ、止めておこう」と安直に判断するのは、もったいないかも知れないという事を申し添えておきます。

私自身の受け止めとしては、万が一、急に価格を変えたくなった時、 “Kindle Countdown Deals” をやったおかげで、変えられない、、、という状況に、ならないとも限らないので、今のところ、おそらくもうやらないのではないかと思っている。

70%のロイヤリティはすごい!のかどうか。

Kindleで販売した場合、出版者が選択できるロイヤリティは2種類あります。
70%または35%です。
1000円の本が1冊売れれば、700円受け取れるのか、それとも350円受け取れるのか、どちらかを出版者自身が選択します。

舌切り雀の童話では、大きいつづらを選んだおばあさんは痛い目に遭いました。欲張らなかったおじいさんは、小さいつづらを選んでよい事が起ったようです。
amazon Kindleが問いかけています。「70%か、35%か、どっちがいいですかいのお」いかにも慎重な判断が求められるような気がするシーンですが、この場合の選択はそう難しくありません。
詳細は出版時に確認していただくとして、大雑把に言えば「amazon Kindleだけで販売しましょう(独占契約)なら70%、そうでなければ(amazon Kindle以外の別のサイトでも販売する場合)35%のロイヤリティが受け取れます」という事です。

紙の書籍の場合、なかなか10%の印税は受け取れません。特に写真集などは、通常4色以上のカラー印刷になりますし、紙質もそれ相応のものを使わないと美しく発色しませんから、小説などモノクロの本に比べて多くの製作費がかかります。そのために初版で受け取れる印税はゼロどころか、持ち出しになることが多いです。初版がそこそこ売れて、増刷が決定した時点で初めて「何%にしましょうか」と出版社と相談できるケースが多いです。
それなのに、電子書籍なら初版から一冊目でも70%も貰えるんですか!例え独占契約をしなかったとしても35%も!すごいですー!!
ま、一見そうですよね。確かにすごそうです。
さあ!あなたも、左うちわで美女を侍らせる夢を見ながらがんばって、売れる本を作りましょう!!

と、ここで話しが終わらないのがこのブログのいいところ。
「世の中そんなに甘くない」というお話しも書いておいて、その上で「それならどうするか」を考えましょう、というのが主旨です。

紙の本は10%と書きました。
じゃあ残りの90%は、いったいどこに消えてしまったのかを考えてみましょう。
印刷代、紙代、運送料、書店の利益、あたりはすぐに想像できます。電子書籍はこれらの経費がかかりませんから、その分は著者が貰えても不自然ではないかも知れません。
その他にも、紙の本には、さまざまな費用がかかっています。例えば、本の表紙は普通、装丁家、装丁専門のデザイナーが行います。専門家はそれなりのノウハウを持っていますから、どのようなデザインをすれば売れるかは、経験的に把握しています。最近の売れた本、売れなかった本のデータも持っています。
編集者が「ここはこうしませんか?」とか、あれこれ注文を付けて来ます。うっとうしく感じる事もありますが、それなりの見方を持った上での意見をくれているんですね。(稀に見識の浅い編集者もいますが)「締め切りはいついつだから、お願いしますね」と、おしりを叩いたりもします。今やってるよ!と返信しながら実際には腕枕でテレビを見ていたとしても、「まあ仕方ないな、ちょっとがんばるか」と、キーボードに向うことになるでしょう。
校正専門のスタッフもいます。誤字脱字はもとより、気付きにくい間違いを発見してくれたりします。(稀に正しい表現を気付かずに変えてしまうこともありますが)一人で書いているとどうしても思い込みが入りますから、100%間違いの無い原稿を書き上げるのは難しいです。そのため、例え校正の専門家でなくても、他の人に読んでもらうのは、大切な行程だと思います。
そして無事に本が出来上がったとしたら、宣伝します。プレスリリースを届けるマスメディアでなくても、書店の販売員が手書きのPOPを書いてくれたりもするかも知れません。気に入った本ならちょっと目立ちやすい場所に並べてくれたりも、するかも知れません。
そして著者は、10%なのかどうか、まあ、それ相応の印税を受け取るという流れです。多くの専門家が関わって、やっと一冊売れる訳です。これを思えば「10%しかないのか!」などと、不平不満は言いにくいですね。

電子書籍の自己出版は、上記のすべてを自分で行います。
上記に揚げた範囲で言えば、表紙デザイン、校正、宣伝、販売促進などですが、細かく言えばその他にも沢山の作業行程を、自分ひとりだけで行う必要があります。
「表紙デザインなんてやったことないけど、要はタイトルと著者名あたりを入れればいいのかな?」と戸惑いながら初めて作るドシロウトデザイナーの本の横に、大手出版社の外注先の一流装丁家の作品が並ぶ事も多々ある訳です。
私自身、装丁家の経験はありませんが、グラフィックデザインを生業にしていた時期がありましたので、プロの作品と素人作品の見分けだけはつくのですが、きっと多くの皆さんも「なんとなく素人っぽいデザインかな?」と感じる事はあると思います。
締め切り間近だよと、お尻をたたいてくれる編集者はいませんから、例えテンションが下がって放置していても、ただ単純に空白の時間が過ぎてゆくだけで、誰も励ましてはくれません。
そして恐ろしい事に、電子書籍の販売では、自己出版の本も、経費を掛けた超大手出版社の本も、全く同じように並列で販売されます。
宣伝も販売促進も自分でやりますが、どうすればいいという方向付けさえもありませんからどのようにして販売を促進しようかしらんという段階から考えてゆくことになります。
このように、表紙デザイン、校正、宣伝、販売促進、全ての作業を自分で行うとすれば、70%のロイヤリティが高額だ!と、はたして単純に喜べるのかどうか。
どんな職業でもそうですが、やはり長年培われたその道のプロのノウハウは、すごいですよね。当然、勝てません。
私自身もまだまだ全然出来ていないのは自覚しているのですが、決して簡単に、左うちわで美女を侍らせられる世界ではないようです。

ただ、70%もしくは35%のロイヤリティが受け取れることは事実です。
今は超一流の装丁家でも、生まれた時から一流だった訳ではありません。最初はもちろんドシロウトだった訳です。だから可能性はあります。
苦手な分野は外注するという方法も考えられます。自己出版だからと言って、必ずしも全て自分で作業をしないといけないという事はないです。ここは外注して、ここは自分でやろう。その判断を自分ですればいいでしょう。
「売上げはともかくとして、とりあえず自分の本を出したい」とい方もあるでしょう。そのような場合は多少の出費をしても外注する方が、反っていい本が仕上がるかも知れません。
そういった予算配分の判断さえ、自分でできてしまう。この事は電子書籍制作ゲームの面白いところではないでしょうか。

70%のロイヤリティはすごいです。
しかしそれは「ボロ儲けでウハウハ」という意味ではなくて、「いろんな選択肢を考える事ができる」と捉えるのが正解ではないかと思っています。

「きっと売れる!」信じないと作れない。けど…

「これだけがんばったのだから、この程度はきっと売れるに違いない。少なく見積もってもあの程度は・・・」これを人は「捕らぬ狸の皮算用」と呼ぶようです。

はい。私もご多分に漏れず、夢を見ながらがんばりましたとも。

しかし現実は?処女作は皮算用の10分の1でした。

執筆中の皮算用は大いにやればいいのではないでしょうか。「きっと売れる!」と思わないと作れませんから、大いに夢を膨らませて、その夢に向ってがんばります。山登りと同じで、すこしずつでも歩いていればいつかは出版できます。

そして現実を直視することになります。大ベストセラーになるのは、少年野球の選手がメジャーリーグに入るような確率でしょうから、普通、大勢の著者は「思ったよりも売れないなあ」ということになるのでしょう。さて、どうしましょう。なんだよ!この程度か!電子書籍は売れない。だからダメだ。市場が未成熟だ。そもそもあーなんだ、こーなんだ、そうなんだ。最低でも、知ったかぶりをしてウンチクを垂れるネタにはなりますね。
どうでしょうね。「一応は出版できた。しかし思ったよりも売れなかった。」ここがスタートラインではないかと思うのです。

これはあくまでも噂ですが、1000万円程度は売った人もいるようです。2013年にはアメリカで「電子書籍長者」も生まれたと聞いています。
また、コミックの紙の本の売上げを、電子書籍が追い越した(2014.7)らしいでしす。モノクロ中心のコミックがその状態ですから、4色以上の印刷でコストのかかる写真集は、もう既に紙の本の売上げを超えているのではないかと(これは私の想像です)思っています。

期待するように売れなかった場合、自分の制作の至らぬところを棚に上げて、周辺環境の欠点を語るのは簡単ですが、周辺環境の欠点も把握した上で「そんならこうすればいいのでは?」と、次の一歩を踏み出す「土台」が出来た訳です。

まあ、誰でも出版できるようになったシステムです。誰でもバカスカ儲かるハズもないでしょう。自分の販売グラフを見て、他の本やランキングを見て、対処策を見つけて実践する。ゲームの始まりです。(私もまだまだ実験段階ですが少しずつ書くつもりです)

 

実際にまだ販売していない方は、この記事を悲観的な記事と捉えずに、「いやいや、自分の本はもっと売れるに違いない!少なくともこれくらいは、売れないはずがない!」と、強気な皮算用をされる方がいいと思います。とりあえず「一作目を出す」のは本当に大変です。がんばってください。二作目は本当に簡単に出せます。一作目がそこそこ売れたのなら、方向性を再検討する必要もないのかも知れませんからさらにラクチンです。ウハウハ売れて売れすぎて鼻血が止まらない可能性は決してゼロではありません。